ノイズ対策技術

QAROOM

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[投稿No]  26

[関連投稿No] 25 [関連章節No] 9 [種別] 質問
[ 名 前 ]  Ohara [ 題 名 ]  シグナル接地
[ 質 問 ]
AC電源が 3線で引かれている場合は、国内でもこのアース線に SG・FGを一緒に接続する事が可能と考えても差し支えない でしょうか?
[ 回 答 ]
3線式の AC 電源には、3 相式、単相 3 線式もありますが、ご質問は、 講座の9(2-A)の USA方式に関するものです。
先ず注意しなければならないのは、国内の3線方式は、法規で規定 されていない、任意で実施されているものだということです。 したがって、そのグラウンドと接地の仕様は、個々に異なります。
フレームグラウンド(FG)が法的に必要な場合には、その接地仕様が 法規に則ったものでなければなりませんから、その確認が必要です。 法的に義務付けられていない場合には、利用して差し支えありません。
[注]  第 3 種接地工事が、多いと思います。通常の電子器であれば、 第 3 種を使用できます。
シグナルグラウンドに利用する場合には、AC 電源線のグラウンドは、 ノイズに汚染されている可能性があります。使ってみて問題が無ければ 使用可能です。
なお、グラウンドと接地の一般論にについては、 投稿 No.25 を参照してください。


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[投稿No]  27

[関連投稿No] [関連章節No] 4(4-A)9(3-D) [種別] 質問
[ 名 前 ]  横尾 智尚 [ 題 名 ]  RS485の故障
[ 質 問 ]
初めて質問させていただきます。
RS485 伝送ドライバの破損が多く発生しています。伝送ドライバは ADM485 を使用し A、B の2つの端子で送受信しております。 端子 A−GND 間、端子 B−GND 間にバリスタを入れ ESD (静電気放電)の 保護をしていますが、ドライバが破損しています。故障要因を調査 していますが、要因が見つかりません。ご教授願います。
ちなみに、ドライバ IC 電源電圧 5V です。マスタ側の基板は 300Ω の プルアップ、プルダウンを取り付け、A、B 間に終端抵抗 100Ω を 取付けた基板です。スレーブ側の基板は終端に付く基板に対し、 終端抵抗 100Ω を取付けております。マスタ−スレーブ基板間の 伝送距離は 500m でケーブルはシールド線を使用しています。 使用環境はマスタ側はモータ制御用のインバータ盤が近郊にあります。
よろしくお願い致します。
[ 回 答 ]
回答に先立って、メールの書き方について注意しておきます。メールには 半角カタカナを使用してはいけません。 全角カタカナを使用するようにしてください。また、 英数字には、 JIS 英数字 漢字コードとがあります。
どちらを使用しても差し支え ありませんが、同一文書内では、理由無く混用しないようにしてください。
(この欄の質問の文章は訂正してあります)。
以下回答に入ります。
質問の文章から推定すると、 接地 (グラウンドを大地に落とすこと) は、各々のドライバまたはレシーバが 設置されている場所の付近で、それそれ接地電極を設けて、 それぞれその場所に落としているものと思われます。
一般に、 離れた場所の大地の電位は、かなり異なります。ご質問の ノイズ環境では、これが、より著しいと考えられます。 この場所による大地電位の違いは大きなコモンノードノイズであり、 容易に電子素子を破壊する大きさになり得ます。
RS485 は、一般の電子素子よりも大きなコモンモード電圧に耐えます。 しかし、上記の大地電位の差は、それよりも遥かに大きくなることが 多いのです。そして、ご質問のノイズ対策 (バリスタ、シールド線) は役に立ちません。
このような場合のノイズ対策として有効なのは、 絶縁です。 RS485 の絶縁には、 フォトカプラ絶縁とトランス絶縁とが利用可能です。 通常はトランス 絶縁が適しています。


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[投稿No]  28

[関連投稿No] [関連章節No] 15(2-A) [種別] 質問
[ 名 前 ]  熱海 健 [ 題 名 ]  フォトダイオードの雑音について
[ 質 問 ]
お世話になります。
当方フォトダイオードの フリッカ雑音 の定量的な値をもとめようとして おりますが、既存のフォトダイード雑音に関する文献等ではショット雑 音のみの記述がほとんどです。
こちらのサイトではコンタクトノイズとして 数式 が提示されておりますが、これをフォトダイオードの光検出雑音に 適用した場合の考え方について解説していただけないでしょうか (定数kの意味等)?
また上記内容に関する文献等ありましたら、併せて教えていただきたく よろしくお願いします。
[ 回 答 ]
フォトダイオードのフリッカ雑音については、専門ではありませんので、 十分な回答はできません。
講座に記載されている式は、「岡村廸夫 著 解析 ノイズ・メカニズム  CQ出版」から、引用したものです。探したのですが、図書が 見つかりません。手持ちの図書を調べたところ、「山崎弘郎 著  電子回路のノイズ対策 オーム社」にも式が出ていますが、 式の形が異なります。
フリッカ雑音は、2 種類の導体が接触している部分に発生するノイズで、 トランジスタ、ダイオードで見られるノイズです。したがって、 フォトダイオードでも、一般的なノイズと思われるのですが。 振幅はガウス分布であり、定数 k は、形や材質によって決まる定数です。


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[投稿No]  29

[関連投稿No] [関連章節No] 4(3-B) [種別] 質問
[ 名 前 ]  服部敏弘 [ 題 名 ]  同軸線の平衡、不平衡について
[ 質 問 ]
同軸線が、 低周波数域で不平衡、高周波数域で平衡との記載があります が、どのような原理でそのようになるのでしょうか?同軸線は不平衡と 思っていました。
[ 回 答 ]
同軸ケーブルは、あくまでも 不平衡です。 平衡の定義は、 あらゆる意味で対等ということですから、低周波で対等でない以上、 平衡ではありません。ただし、部分的には (高周波では) 平衡性がある ということです。
同軸ケーブルの等価回路は、下記の通りです。
同軸ケーブルの等価回路
同軸ケーブルにおいて、外部導体に電流 Is が流れたとします。 このとき、相互インダクタンス M によって、内部導体に誘起される電圧 VNは、
   VN = j ω M Is
です。また、外部導体では、
   Vs = ( j ω Ls + Rs ) Is
です。内部導体は、外部導体によって完全に囲まれています。したがって、
   Ls = M が成立します。以上から、
   VN / Vs = jω / (jω + Rs / Ls )
となります。低周波では、VN ≠ Vs ですが、高周波では、
   | jω | ≫ | Rs / Ls |
ですから、
   VN ≒ Vs
となります。これは、外部導体と、内部導体とが同等であること、 すなわち、平衡の性質を持っていることを意味します。


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[投稿No]  30

[関連投稿No] [関連章節No] 7 [種別] 質問
[ 名 前 ]  TOYODA [ 題 名 ]  クロストークの影響の測定方法
[ 質 問 ]
お世話になっております。初めて質問させて頂きます。
最近、基板設計における配線間隔が狭くなってきており、 クロストーク の影響が気になっております。実測によってその影響を確認したいと考 えておりますが、その測定方法を教えていただけますでしょうか。
オシロスコープで観測しては見たのですが、プローブに誘導されている ようにも思えます。実際のパターン上の信号を捕獲したいため、その方 法を教えてください。 よろしくお願いいたします。
[ 回 答 ]
オシロスコープのプローブは、その外形を見ても明らかなように、 不平衡回路です。 不平衡回路は、 コモンモードノイズノーマルモードノイズ 化けさせます
したがって、大きなコモンモードノイズが 載っている場所にプローブを接続すると、そのコモンモードが ノーマルモードに化けます。すなわちプローブを接続したことに 起因して、存在しなかったノーマルモードノイズが発生し、 それを観測してしまいます。
一般にクロストークは、大きなコモンモード電圧の上に載っていること が多いのです。
このコモンモードを、ノーマルモードに化けさせないためには、 平衡を維持すればよい訳です。プローブを 2 本使用して、 その差電圧を観測します。同一の特性を持つ回路を 2 つパラレルに 設けると、そのパラレルの回路は平衡回路です。
すなわち、ほぼ同一特性を持つプローブを 2 本パラレルに使用すること によって、観測回路の平衡性は、大幅に改善されます。同じ理由に よって、プローブのグラウンド側も、パターンを含めて、 できるだけ短く、かつ平衡性を保つように接続する必要があります。


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