[関連投稿No] | [関連章節No] 9(1)、10(3) | [種別] 質問 |
[ 名 前 ] 谷口 | [ 題 名 ] ノイズ | |
[ 質 問 ]
19インチラックを利用し複数あるケースに、それぞれ違うセンサを
収納したとします。
その際、それぞれ必要となる電源(スイッチング電源)を1つの ケースに集約し、各ケースに供給した場合と、それぞれのケースに 電源を分散した場合とでは、どのような違いが発生するのでしょうか。 |
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[ 回 答 ]
(1) 全般
ノイズ対策の立場からいえば、それぞれのケースの電源を分散する
ほうが優れています。ただし、コストアップになりますから、
電源を 1 つに集約しても問題が発生しないなら、それで差し支えは
ありません。
一般論としては、センサはノイズに弱い傾向があります。しかし、 その耐ノイズ性は、センサの種類、センサ周りの回路およびその配線 によって、大きく異なります。 (2) 各論 電源を 1 つに集約した場合、その配線に注意すれは、ノイズに強く なります。 a) その電源から各ケースまでの配線は、共通部分を作らずに、 個別に配線するほうが、ノイズに強くなります。これは、 共通インピーダンスを避けることができるからです。 b) 各配線は、ツイストします (4(3))。また、 できるだけケースに添わせるように配線します (8(2)図.2)。 これは、電源を分散して場合の、電源までの配線にも適用されます。 |
[関連投稿No] | [関連章節No] 9 | [種別] 質問 |
[ 名 前 ] 直石 | [ 題 名 ] FGの処理について | |
[ 質 問 ]
<いつも楽しく拝見させていただいています>
先日、某メーカのインバータを見ていると端子台のFGと基板のFG とが、抵抗を通して接続されていました。 何かノイズ対策ではと思いますが、原理がよく分かりません。これは どのような効果が期待できるのでしょうか? よろしければ、ご教授の程お願いいたします。 |
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[ 回 答 ]
FG は、通常
フレームグラウンドのことです。グラウンドは、この他に
シグナルグラウンド
(SG)があります。FG と SG は、目的用途が異なります。
基板のグラウンド
は、一般にはシグナルグラウンドです。しかし、ご質問の「基板」には、
FG も取り込まれているのかも知れません。
フレームグラウンドは、フレーム(筐体、ケース)を大地とほぼ同電位 にすることが目的ですから、 接地 (大地に接続)することが必要です。シグナルグラウンドは、電位が 安定していることが必要で、その手段として接地することがあります。 最適な接地方法は、周囲の環境によって異なりますが、一般に、 FG と SG とが接地を 共用する方式が多く用いられています。ご質問の「端子台」に、 グラウンド端子が「FG」だけであり、それがフレームにも接続されて いるのであれば、共用方式です。 「基板」が一般の電子回路基板であり、グラウンドが一種類だけで あれば、そのグラウンドは シグナルグラウンドです。この場合に抵抗 を介して接続されているのは、下記の理由です。 フレームグラウンドは、大きなノイズが載る場合があり得ます。 フレームグラウンドに大きなノイズが載ることが予想されるときは、 抵抗があることによって、そのノイズが基板に大きな影響を与えること を防ぐ効果があります。 抵抗と基板内のシグナルグラウンドが持つキャパシタンスとが、 フィルタとなるからです。ただし逆効果として、基板のシグナル グラウンドを接地した効果が減ります。抵抗が 共通インピーダンス になるからです。 「基板が」特殊な基板で、シグナルグラウンドを有し、かつ、フレーム グラウンドも引き込んで場合にも、抵抗の役割は同じです。 基板内のフレームグラウンドに、基板外のフレームグラウンドの ノイズが伝わることを軽減します。仮に基板内のフレームグラウンド 自体はノイジーであっても差し支えない場合でも、 クロストーク によって、他の電子回路に悪影響を及ぼします。 |
[関連投稿No] | [関連章節No] 6(1)、伝送13. | [種別] 質問 |
[ 名 前 ] 大原 | [ 題 名 ] 光ファイバーの反射は? | |
[ 質 問 ]
光ファイバーについての反射には触れていないんですが、光ファイバー
特性上少なからず反射はありますが、
反射による伝送に問題になるほどの反射は無いのでしょうか? |
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[ 回 答 ]
光ファイバ
中の光も、電線中の電気信号も、共に
反射があります。
しかし、電線中の電気信号の波長は電線の径に比べて十分に長く、 光ファイバ中の光の波長は光ファイバの径に比べて十分に短いのです。 したがって発生する現象はまったく異なります。光ファイバについては、 伝送13.3. を参照してください。 なお、講座では触れませんでしたが、光ファイバにおいても、 信号の進行方向と逆向きの反射も起こります。しかしこの逆向きの光は、 互いに影響し合うことはありません。 ただし、この逆向きの光が、発光素子(レーザー)に戻ると、発光素子 に悪影響を与ええます。したがって、逆向きの反射は、十分に小さく なるように抑ええるか、または、発光素子の手前に、光アイソレータ を挿入する必要があります。 光アイソレータは、方向性を有する光減衰器で、順方向の光はほぼ そのまま通し、逆方向の光を減衰させる素子です。 |
[関連投稿No] | [関連章節No] 8(3) | [種別] 質問 |
[ 名 前 ] ゴウド | [ 題 名 ] 電磁波シールド材について。 | |
[ 質 問 ]
ゴウドと申します。はじめまして。現在、オーディオ機器の内部の
電磁波シールドに夢中になってます。
トランスの電磁波をシールドしようと考えております。いろいろな シールド材を試しましたが、なかなかよい物がありません。 良かったらいい素材を教えて下さい。 また、トランスを完全にシールド材でカバーすると良くないの でしょうか? |
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[ 回 答 ]
(1) 一般論としては、オーディオの周波数帯域から考えて、
磁気シールド
が必要と思われます。しかしオーディオは、一般論とは異なる
色々な問題があるようです。オーディオに関しては専門外なので、
シールド材については、回答を控えさせていただきます。
(2) シールド材で完全にカバーする件については、一般論として 回答します。この他に、オーディオ固有の問題があるかも知れません。 磁気シールドの立場からは、完全にシールド材でカバーすることは 好ましいことです。 しかし、シールド材が電気の導体であるときは、完全にカバーすると、 トランスの構造によっては、トランスのショートされた巻き線の 働きをすることがあり得ます。 このような場合は、シールド材に、非導電性の材質を使用するか、 または、電気的には回路を構成しないように、一部を絶縁することが 必要です。 ただし穴を作ることは好ましくありませんから、電気的には互いに絶縁された シールド材を、重ね合わせるようにするのがベターと考えられます。 |
[関連投稿No] | [関連章節No] 7(2) | [種別] 質問 |
[ 名 前 ] Ohara | [ 題 名 ] 目に見えない回路... | |
[ 質 問 ]
非常にわかりやすく、難しいノイズ他の事がなんとなくわかったような
気分になりました。
質問ですが、平行する単線間には目にみえない回路 (ストレートキャパシティ等)が存在する故、SG・FGを 区分する意味がないとの事。 これは、1/ωc で計算すると非常に 小さな抵抗値になるからとの理解で宜しいでしょうか? この場合、各電子回路が納められている箱(シャーシ)とその箱が 納められている箱(フレーム)自身もノイズの影響を受けるような 場合は見えない回路でつながっていると言う事になるのでしょうか? もう一つ、光で絶縁されている フォト・カプラ等はこのような 心配は無いのでしょうか? |
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[ 回 答 ]
(1) 平行する単線間には、目に見えない回路
(回路図に無い回路)
として
ストレーキャパシタンスが存在します。
このため、ご質問のように、高周波では、このストレーキャパシタンス のインピーダンス (1/jωc)が、(非常に小さいという程ではなくても)無視できない 大きさになり、このインピーダンスを通してノイズが伝わって しまいます。 (2) シグナルグラウンド(SG : ご質問の「シャーシ」)と、 フレームグラウンド (FG : ご質問の「フレーム」)との間にも、ストレーキャパシタンス が存在します。すなわち、シャーシとフレームとは、目に見えない 回路でつながっていることになります。 したがって、シグナルグラウンドとフレームグラウンドとを、共に接地 (大地に接続)する場合に、それぞれを電気的に切り離すために、 各々を独立して別の電極で接地しても、あまり意味が無いことが 多いということです。 なお、ノイズ、とくにグラウンドの問題は、そのシステムが 置かれているノイズ環境によって、その最適解が大きく異なります。 法的に接地が必要なフレームグラウンドは、接地する必要があります。 しかし、シグナルグラウンドは、接地するとは限りません。 |