◆ 講座に関する質問を受け付けています。意見 要望 感想なども、遠慮なくお聞かせください。質問の回答は、この欄で公開します。したがって、回答は、一般読者を意識した内容になります。
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下記の内容を記入してください。記入は、各項目ごとに、下記の番号によって、箇条書きにしてください。
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(3) 題 名 質問の内容を容易に推定でききるように、しかし、簡潔に書いてください。なお、質問以外のときは、先頭に、たとえば「意見」のように、その主旨を記入してください。
(4) 関 連 関連する講座の章節番号を、「2.2.(3-A)」のように書いてください。他の質問に関連した質問のときは、関連する質問の質問番号も書いてください。
(5) 本 文 質問等の内容を書いてください。
内容が複数あるときや、長いときは、(A)、(B) などの番号をつけて、箇条書きにしてください。
[注意] 質問等が、独立した複数の内容の場合には、複数の質問等に分けてください。
章 | 投稿番号 |
1. 電気と電子について | 1、 |
2. 電流と電流を流す回路 | 2、4、 |
3. 交流をマスターしよう | |
4. 半導体の働き | |
5. ディジタル回路 | |
6. アナログ IC | |
7. 信号と信号線 | 3、 |
8. インターフェース | |
その他 |
[関連投稿No] | [関連章節No] 2.1.(1-A)、2.1.(1-B)、2.1.(1-C) | [種別] 質問 |
[ 名 前 ] 柳沢孝行 | [ 題 名 ] 電圧と電流について | |
[ 質 問 ]
高校の物理の時間に、電圧を位置の高低にたとえ、電流を水の流れにたとえて、説明されました。このたとえが、よく分りません。
位置の高低の差は、重力の法則に基づく位置のエネルギーの差であり、水が流れるのは、理解できます。 電圧が高い、電圧が低いとは、何が高く何が低いのですか。電圧が高い所から低いところへなぜ電子は動くのですか。 高い位置から低い位置へ水の分子が流れるのには、重力があるからとすると、電気の世界で、重力にあたるものは何なのでしょうか。 |
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[ 回 答 ]
(1) 回答に先立って、貴質問自体について、訂正しておきたいことがあります。
電子は「電圧の高いところから低いところに動く」とありますが、電子の動きはその逆です。電子は、マイナスに帯電した粒子です。したがって、電子は、電圧の低いところから高いところに動きます。 これは、最初に電圧の高低を定義したときに、たまたま、そのように定義してしまったことが、原因です。当時は、電気が、電子の働きであることが、まだ分っていなかったのです。水の流れと違い、電気は眼に見えませんから。電気のプラスマイナスをどちらに定義したらよいかの、根拠がありませんでした。しかしどちらかに、決めなければなりません。それで、エイヤッと定義したのです。後になって、電子が発見されてみたら、逆だった、というわけです。 このことは、今回の質問には影響ありませんが、訂正しておきます。 (2) 地表にある物体には、重力が働いています。このため、ある高さにある物体は、その高さに応じた位置のエネルギーを持っています。水が流れるのは、位置のエネルギーが、運動のエネルギーに変換されるからです。 (3) さて、電圧ですが、電圧というのは、電位の差、すなわち電位差のことです。したがって、まず、電位ということを、理解する必要があります。 電位とは、電気における高さに相当するものです。重力が働いている場所では、質量を持った物体には、重力という力が働きます。同様に、電荷を持った物質には、電気的な力が働きます。この電気的な力における、高さに相当するものが、電位だということです。 (4) ところで、電荷を持った物質とは、電子のことです。電子は、さきに述べたように、マイナスに帯電した粒子です。電流は、電子の流れです。したがって、電子は、電位が低いところから、電位の高い方に流れます。そして、電気の世界で、重力にあたるものが、電圧、すなわち、電位差です。 |
[関連投稿No] | [関連章節No] 7.2.(3-A-a) | [種別] 質問 |
[ 名 前 ] 山下 浩太 | [ 題 名 ] 同軸ケーブルなどで高周波信号を伝達する場合について | |
[ 質 問 ]
同軸ケーブルに高周波信号を加えると、同軸ケーブルの導線に、信号の波長程度の電位分布が表れる、と聞いたことがあるのですが、
電磁気などでは、導体の表面の電位、は全て等しいと考えたはずなのですが、 これは矛盾していると思うのですが、どのように考えればよいのですか? |
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[ 回 答 ]
(1) 「導体の表面の電位は全て等しい」というのは、静電気の現象です。ただし、静電気であっても、静電誘導があれば、導体の表面の電位は、等しくは、なりません(本文 2.2.(4-A-a)参照)。すなわち、「導体の表面の電位は全て等しい」というのは、ある条件における現象であって、普遍的な現象では、ありません。
(2) ケーブルに信号を加えるということは、何を意味するのでしょうか。信号が、電流の形であれば、電流を流した ということを意味します。ケーブルには、インピーダンスがあります(インピーダンスが、分かり難ければ、抵抗で考えてください)。インピーダンスに電流が流れれば、電圧が発生します。すなわち、導体の表面の電位は、等しくありません。 理想化した導体では、導体のインピーダンスは、ゼロです。インピーダンスがゼロであれば、電流が流れても、電圧は発生しません。理想化した導体ならば、導体の表面の電位は、全て等しくなります。貴方の言う「電磁気」では、導体は、理想化された導体を意味していることが、考えられます。 現実の導体は、必ず、インピーダンスを持っています。ただし、実用上、インピーダンスが十分に小さければ、理想化した導体で、近似することが、できます。 (3) 信号が高周波の場合(信号の波長が、ケーブルの長さに対して、短い場合)には、信号は、波動の性質を持ちます。その結果として、信号線は、波動としての各種の特性を持っています(本文 7.2.(1)参照)。 同軸ケーブルの導線に、信号の波長程度の電位分布が表れる というのは、信号を、波動として取り扱わなければ、ならない条件の場合です。信号の周波数が低ければ、信号を、波動として取り扱う必要は、ありません。 この例に限らず、世の中の いろいろ な現象は、条件が異なれば、どのように近似して考えることができるか、ということが、違ってきます。これは、考える条件が異なるからであって、矛盾では、ありません。 たとえば、私たちは、日常生活に おいては、ニュートンの力学で考えれば十分です。しかし、微小な世界では、ニュートンの力学は成立しません。しかし、だからといって、ニュートンの力学が間違いであるとは、言いません。 |
[関連投稿No] | [関連章節No] コラム 2.1-5 | [種別] 質問 |
[ 名 前 ] 田中浩 | [ 題 名 ] 抵抗値のE系列について | |
[ 質 問 ]
抵抗値のE系列について御質問です。
細かい抵抗値が必要な場合は、E96系列等の数字の高い系列から選定することになり、その場合、当然、精度も必要となってくると思います。 しかし、E96列に対応する5色帯のカラーコード表を見ると、2%、5%というE24系列以下の許容値表示があるのはどういうことでしょうか? 低い精度でいいのなら、E96系列から選定する意味がないように思えます。 また、逆にE24系列以下に対応する4色帯には1%、0.5%というE24系列より高い許容差の表示があります。E24系列は±2%の誤差を基準に作られているものだと思いますので、そこにこのような値の許容差が存在することの意味がよくわかりません。 そもそもE系列が何種類もわかれているのはなぜなのでしょうか? E96またはそれ以上の系列をひとつ設けておけば、すべての抵抗値は網羅しているわけですから、そこから必要なものを選べばいいだけのような気がします。 E系列と抵抗値許容差の関係がよく理解できていません。 ご教授の程、宜しくお願いします。 |
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[ 回 答 ]
(1) 抵抗などの、電子部品は、規格があります。しかし、この規格というのは、強制力は無いということです。ですから、規格に従った、製品もありますし、規格外の製品も沢山あります。
(2) 抵抗値の規格は、抵抗値を標準化することによって、抵抗値の種類を減らすことが目的で、作られたものです。この目的に対して、最も合理的なのは、値を、等比数列にすることです。E 系列は、等比数列になっています。 E 系列には、数列の比の間隔が、狭いものと、広ものとがあります。比の間隔が狭いものは、抵抗値を、きめ細かに選ぶことができます。 (3) 抵抗は、その用途と使用目的によって、必要な精度があります。すなわち、許容誤差があります。高精度のものは、温度係数も小さいことが、必要ですし、経年変化も少ないことが必要です。したがって、高精度ものは、高価になります。 (4) 高精度の抵抗は、その精度に見合うように、抵抗値の数列の比を、狭く取る必要があります。 しかし、精度が低い抵抗は、抵抗値を細かに決めても、意味がありません。たとえば、10% の許容誤差がある抵抗で、100 Ω と、101 Ω のものを作っても、実質的な、差はありません。 (5) 以上から、E 系列の比の間隔と、抵抗値の精度とは、リンクしていることが、合理的であることが、分かります。 (6) しかし、合理的であるということと、使い易いということは、必ずしも、一致しません。抵抗値の有効桁数が多いものよりも、数値が切りの良いものの方が、使い勝手が良いという面も、あります。 (7) 需要があれば、メーカーは、製品を作ります。ユーザーは、多種多様です。したがって、現実には、規格外の製品が、多数あります。 要は、その中から、好みに合ったものを、選んで使えば、良いのです。 |
[関連投稿No] | [関連章節No] 1.1.(2-C-b)、 2.1.(1-A) | [種別] 質問 |
[ 名 前 ] 藤田 裕二 | [ 題 名 ] 電流と、電子の流れは、逆ですが、不都合は、生じませんか? | |
[ 質 問 ]
前略、電気に関んして、ほとんど、素人な者です。
電流と、電子の流れは、逆であると教わりました。 電気設計の、本では、『電流の流れ』、のみを、考慮して、記述されているようです。 しかし、実際は、電子は、逆に流れていると考えられます。 何か、不都合が、生じないものなのでしょうか? |
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[ 回 答 ]
(1) まず、結論を示します。「不都合は、生じません」
(2) 電流の向きは、まだ、電流が、電子の流れであることが、知られていなかったときに、定義されました。 (3) 水の流れは、目に見えます。ですから、水の流れの向きを、逆に定義することは、ありえません。 (4) 電流は、目に見えません。しかし、何かが流れていると考えられます。これを、電流と定義したわけです。 (5) 流れであれば、向きを決めなければなりません。 しかし、電子のことが、知られていなかったときに、決めたのですから、向きを決める根拠が、ありませんでした。 それで、「エイヤッ」と決めたのです。 (6) 後に、電子のことが分かってみたら、残念ながら、逆だった、というわけです。 (7) 以上の、いきさつで、電流の向きが、定義されたのです。 もし、この定義で、実際に、何か不都合が発生していれば、この定義は変更された筈です。 鏡の国のアリスという、童話があります。鏡の国では、全てが、あべこべです。しかし、全てがあべこべであれば、矛盾は、起こりません。 (8) これと、同じことで、電子の流れと、電流の向きとが、反対であっても、全て反対で、統一されていますから、不都合は、発生しません。ですから、そのままになっているのです。 |