[関連投稿No] | [関連章節No] 9.(1-C-a)、 9.(3-C-b) 10.(2)コラム1 | [種別] 質問 |
[ 名 前 ] 平山 | [ 題 名 ] 電源ラインのインダクタとフィルタ | |
[ 質 問 ]
電源ラインに存在するインダクタと電源ラインに挿入するフィルタLについて、ご教授願います。
電源ラインがインピーダンス(インダクタンス)持つ場合、ここに電流が流れると電圧を発生し、これがノイズになると思います。9.(1-C-a)等。 一方、10.のコラム1では、電源ラインフィルタとして、インダクタLを挿入しています。 両者はどちらも電源ラインにインダクタが存在するのですが、その現象(効果)は全く異なっています。どの様に考えればよいのでしょうか? なぜ電源ラインフィルタLは回路に流れる電流が変化した時にノイズ電圧を発生しないのでしょうか? 以上、よろしくお願いいたします。 |
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[ 回 答 ]
ご質問は、電源ラインに挿入する、パスコンに関連した、ご質問です。
(1) 9.(1-C-a) の記述は、本来ゼロインピーダンスであって欲しい、電源ラインが、現実には、インピーダンスを持っている、ということです。本来ゼロインピーダンスであって欲しいということは、電流が変化したときに、電圧が変化して欲しくない場所と言うことです。 電源は、IC 等に、一定電圧で供給することが、望まれます。しかし、IC 等は、その消費電流が変化します。したがって、電圧を一定にレギュレートしている場所から、IC 等までの間は、できるだけ低いインピーダンスであることが、望まれます。 (2) 電源を供給して動作する IC 等は、その動作に伴って、消費電流が変動します。電源ラインフィルタのキャパシタンスは、電荷を蓄えて、IC 等の消費電流が変動したときに、このキャパシタンスから、電流を供給することによって、電源電圧の変動を小さく押さえる効果があります。 別の表現をすれば、電源ラインフィルタのキャパシタンスは、電源ラインのインピーダンスを低くします。 (3) 10.のコラム1は、フィルタに関する記述です。フィルタは、波形を変化させるために挿入する素子です。ご質問の電源のフィルタの場合には、プリント基板の外部で、電源ラインに載ってきたノイズを取り除くことが目的です。 (4) 電源ラインフィルタの L は、上記(3)の効果を、キャパシタンスだけのフィルタよりも、高くすることが目的です。電源ラインフィルタの L は、上流側に対して効果がありますが、下流側、すなわち、上記(2)の効果は、妨げません。 |