再反射補正(シールドの) :
平面波シールドにおいて、透過波が、シールド内で、何回反射を繰り返しながら、その一部がシールドを通過してしまう。これを補正することを、再反射補正と言う。ただし、この再反射補正は、値が小さく、通常は無視できる。
サグ :
ドループ。パルストランスを使用したとき、パルスのハイの部分が、減少してしまう現象。
サージ :
強烈な、素子を破壊してしまうようなノイズ。通常、電子機器では、10V 程度以上のものを言う。
サージアブゾーバ :
アレスタ。サージを吸収する素子。素子を破壊から防ぐことができるが、大きなノイズとして残る。
サージシミュレータ :
雷サージシミュレータ。大きなサージを発生させるソミュレータ。基本的には、静電気放電シミュレータと同じである。
差動形ドライバ :
ディファレンシャル形ドライバ。平衡ドライバ。出力が平衡であるドライバ。通常、入力は不平衡である。
差動形レシーバ :
ディファレンシャル形レシーバ。平衡レシーバ。入力が平衡であるドライバ。通常、出力は不平衡である。
サーマルノイズ :
熱雑音。部品が出すノイズの一種。抵抗を電流が流れるときのノイズ。全ての部品は、抵抗成分を持つから、全ての部品に存在するノイズである。
サンプリング :
時間的に連続な信号から、時間的に飛び飛びな情報を取り出すこと。
サンプリング定理 :
次の内容の定理。「ある周波数の信号を、サンプリングによって失われない、ようにするためには、元の信号の、少なくとも 2 倍の周波数でサンプリングすればよい」。
サンプルホールド :
アナログ信号を、ある時点でサンプリングして、その値をホールド(維持)すること。A(アナログ)/D(ディジタル)変換するときに使用する。
紫外線 :
電磁波の一種。可視光線よりも波長が短い領域である。
シグナルグラウンド :
グラウンドの一種。電子機器の動作の基準となる電位を与えるグラウンドである。通常は、信号の共通の戻り線を兼ねる。
シグナルコンディショナ :
A(アナログ)/D(ディジタル)変換システムにおいて、フィルタ、アンプ、サンプルホールド等を含む前処理の部分。
シグナル接地 :
シグナルグラウンドを大地に接続する接地。この講座では、接地は、大地に接続することである。
試験レベル(イミュニティの) :
IEC のイミュニティ規格において、定められている、各種試験における、電圧値等の値。
市内ケーブル :
伝送用ケーブルの一種。電話用の通信ケーブルにおける、代表的な品種である。
シールド :
遮蔽。空中を伝わるノイズを阻止する手段。静電誘導を阻止する静電シールド、電磁誘導を阻止する磁気シールド、電磁誘導を阻止する電磁シールドがある。
シールドトランス :
1 次巻線と 2 次巻線とをシールドしたトランス。
シールドライン :
ケースの継ぎ目などに使用する、導電性のパッキング。
シミュレーション :
実際に本物を作り実験する代わりに、模擬実験を行うこと。コンピュータのプログラムによることが多い。
シミュレータ :
2 つの別の意味を持つ。
(1) 本物の代わりをするハードウェア。たとえば、ノイズを発生するノイズシミュレータがある。
(2) シミュレーションを実行する、コンピュータのプログラム。
遮光 :
光を遮ること。空中の電気を遮るシールドに比べて、遮光は容易である。光ファイバがノイズに強い要因である。
周期 :
交流が 1 回の繰り返しを行う時間。周期の逆数が周波数である。
終端 :
反射を無くす目的で、伝送路の端に、伝送路の特性インピーダンスと等しいインピーダンスを設けること。
終端(負荷を含む系の) :
負荷を含む系における終端は、負荷のインピーダンスと終端との合成インピーダンスが、伝送路の特性インピーダンスと、等しくなるようにする。
終端抵抗 :
終端の目的で使用する抵抗。通常ケーブルの特性インピーダンスは、純抵抗である。
出力インピーダンス :
等価出力インピーダンス。複雑な回路であっても、その回路を外から見たとき、その回路の出力は、ある一定のインピーダンスを持っているように見える。そのインピーダンスを等価出力インピーダンスと言う。等価の文字を省略して、出力インピーダンスと呼ぶことが多い。
周波数 :
交流が、1 回の繰り返しを行う時間(周期)の逆数。
周波数帯域 :
ある信号に含まれている周波数には、一般に下限と上限とがある。その信号に含まれれている周波数の範囲を、周波数帯域という。
周波数多重化 :
周波数分割多重化。多重化の手段の一種。複数の周波数が異なる信号を使用し、周波数の違いを利用する多重化である。
周波数特性 :
ある信号に、どの周波数の成分が、どの程度含まれているかを示す、特性を言う。または、信号が、ある要素を通過するとき、その要素が、どの周波数成分を、どの程度通過させる性質を持っているかを示す、特性を言う。
周波数特性(電気ケーブルの) :
電気ケーブルの周波数特性。具体的に特性が示してある。
周波数分割多重化 :
周波数多重化。多重化の手段の一種。複数の周波数が異なる信号を使用し、周波数の違いを利用する多重化である。
シュミットトリガ :
ディジタル IC の一種。スレッショルド電圧が 2 重にあり、入力電圧が上昇するときは上側、入力電圧が下降するときは下側のスレッショルド電圧で動作する。ノイズ耐性が高いなどの特徴を有する。
ショットノイズ :
コンタクトノイズ。接触雑音。部品が出すノイズの一種。
シリースパスレギュレータ :
定電圧電源装置の一種。AC 電源を整流、平滑化した後、直列の素子による電圧降下で、電圧を制御する。簡単であるが、損失が大きい。
シールドトランス :
1 次側巻線と 2 次側巻線との間をシールドしたトランス。シールドは、保安の目的を達成するが、通常は、ノイズをカットする役には立たない。
シールドライン :
シールド材の一種。導電性のパッキング。ケースなどの、板と板との継ぎ目に導電性を持たせるのに有効である。
シングル形レシーバ :
入力端子が一つで、入力端子とグラウンドとの間の電圧によって動作するレシーバ。コモンモードノイズを除去する能力がない。
シングルモード光ファイバ :
光ファイバの一種。単一のモードの光だけを通す。多数のモードを通す、マルチモード光ファイバに比べて、特性が良い。
信号 :
互いに離れた場所で、光、電気などの符号を用いて、情報をやり取りする方法、またはその符号。
信号(電気的) :
この講座での用語。欲しい信号と、ノイズとの両方を指すとき、電気的信号という。
信号(欲しい) :
この講座での用語。広義の電気的信号は、欲しい信号と、欲しい信号を妨害するノイズとから成る。
信号源インピーダンス :
信号の発生源を信号源と言う。信号源インピーダンスは、信号源の出力インピーダンスのことである。
信号処理 :
信号を、意図的に歪ませる操作を言う。この講座では、このように定義したが、一般には、アナログ信号を、ディジタル化して、処理を行う意味に用いる。
信号の速度 :
信号が伝わる速度。光や電波が空中を伝わる速度は、約 30万km / 秒であるが、光ファイバを伝わる光、電気ケーブルを伝わる電気信号の速度は、上記よりも若干遅い。なお、信号は、電気ケーブル中を波動とし伝わるのであって、電子が移動して伝わるのではない。
浸透深さ(吸収損失の) :
電磁波が導体の中を進むとき発生する損失を吸収損失と言う。このとき、電界/磁界の強さは、指数関数、exp(-t/s) となる。ただし、t はシールド材の厚さである。この、s を、浸透深さと呼ぶ。
磁界 :
磁気の力が働いている場所。磁力の方向と強さは、磁力線によって表現することができる。
磁気飽和(トランスの) :
トランスは、直流電流を流し続けると、磁気飽和を起こす。トランスは、磁気飽和を起こさない範囲で使用する必要がある。
時定数 :
1次フィルタ(RCフィルタ)における、RとCの積。
時分割多重化 :
多重化の一種。通常、ディジタル信号の多重化に用いる。時間を分割し、その分割された時間帯にデータを割り付ける。
自由電子 :
導体の中にある、自由に動き回ることができる電子。自由電子の流れが電流である。
瞬間停電 :
商用 AC 電源で発生する、瞬間的(10〜100ms 程度)な、電源断または、電圧の大幅な降下。証明や一般動力には重大な影響を及ぼさない。しかし、対策を立てないと、電子機器には影響する。
実効値 :
交流の電圧や電流に使用する単位。直流と電力が等しくなるように定めたものである。
受動素子 :
たとえば、抵抗、コンデンサなど、電源供給をしなくても動作する素子。
これに対して、アンプなど、電源を供給しないと動作できない素子を、能動素子という。