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技術士について




技術士とは

★ 「技術士」は法律「技術士法」によって定められた資格です。国家試験に合格し、科学技術庁に登録することによって技術士を名乗ることができます。
技術士は、技術者に与えられる各種資格の中で、最高の資格といわれています。

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技術士制度に係わる基本的な仕組み

★ 技術は範囲が広く、すべての技術分野を一人でカバーすることは不可能です。技術士は専門分野によって、下記の20部門に分かれています。
機械、船舶、航空・宇宙、電気・電子、化学、繊維、金属、資源工学、建設、水道、衛生工学、農業、林業、水産、経営工学、情報工学、応用理学、生物工学、環境、総合技術監理
★ 試験は各部門別で、さらに各部門ごとに設けられた複数の科目の一つを選んで受験します。電気・電子部門では、発送配変電、電気応用、電子応用、情報通信、電気設備の5科目があります。
★ 高度な技術者にはピラミッド形の技術が要求されます。それぞれの科目だけでなく、その部門全体をカバーする十分な技術を持っていることが必要です。
例えば、電子応用で受験しても、発送配変電に関する技術も要求されます。
★ また、単なる知識でなく、実務を処理する応用能力が必要です。試験は、これらのすべてを満足しないと、合格できない仕組みになっています。
★ 技術士はこのように各部門に分れていますが、実際の技術業務は複数の技術分野にまたがるのが普通です。技術士は登録部門以外の関連専門分野についても精通していることが多く、それらの分野に関する業務を行ってもさしつかえありません。
★ 医師や弁護士はその資格を持っていなければ、業務を行うことができません。医師や弁護士などの資格は、元になる法律が、職業を規制する職業法だからです。
★ これに対して、技術コンサルティング業務は技術士の資格を持っていなくても行うことができ、技術コンサルタントを名乗ることができます。
技術士法は資格を与える資格法であり、職業を規制していません。
★ ただし、技術士の資格を持っていなければ、技術士の名称を使用することはできません。また、業務に関して技術士の名称を表示するときは、登録された部門を明示することになっています。
★ なお、技術士と似た名称の資格に「無線技術士」があります。これは技術士とは無関係ですが、技術士法が制定されるよりも前に制度化されていたので、特例として認められています。
★ 技術士の団体としては、法律によって定められた日本技術士会があります。
日本技術士会
は、技術士の試験、登録の業務も行っています。日本技術士会の詳細は同会のホームページをご覧ください。技術士制度の概要に関しても、同ホームページで解説しています。


技術士業務について

★ 技術士には、製造、販売などを行う一般企業に属してそれぞれの専門技術に従事する技術士と、これらの企業から独立し、技術コンサルタントを業として行う技術士とがあります。
★ また、中立なコンサルティングを行う非営利機関や、中立なコンサルティングを専業とする企業に属し、技術コンサルタント業務を行う技術士もいます。
★ 技術コンサルタントを業として行う場合は、メーカーや商社に対して中立な立場で業務を行うことが要求されます。たとえば設計を行うとき、使用する装置、部品は、特定のメーカーに偏ることなく、公正に選定しなければなりません。
★ また、顧客の機密事項に関与する場合が多く、機密保持が重要です。技術士は、技術士法によって機密保持が義務付けられています。
★ 広い技術レパートリーを持つ技術士 (技術コンサルタント) であっても、顧客から依頼される業務すべてに精通しているとは限りません。複数の技術士が共同して業務を行う必要がでてきます。一般に、技術士は個人的な協力態勢を持っています。
★ さらに、この協力態勢を強化するために、複数の技術士が協力組織を作っている場合があります。一般に各地域ごとに、このような組織があります。
★ 技術士の相互協力組織の中で、最も代表的なものが技術士協同組合です。技術士協同組合は、関東・東海地方の技術士で組織した科学技術庁認可の事業共同組合です。技術士協同組合の詳細は、同会のホームページをご覧ください。


海外の制度との関連について

★ 欧米では、通常 Professional Engineer と Consulting Engineer の二つが区別され、制度化されています。
★ Professional Engineer は、高度な技術を有し、技術を業として行う技術者を言います。一般企業に属していても差し支えありません。
★ これに対してConsulting Engineer は、中立な立場でコンサルティングを業として行う技術者のみを言います。
★ 日本の技術士制度は、当初 Consulting Engineer を制度化する目的で計画されました。しかし諸般の経緯から、実質的には Professional Engineer を対象としたものになっています。
★ 技術士法では、技術士を「技術士の名称を用いて、科学技術に関する高等の専門的応用能力を必要とする事項についての計画、研究、設計、分析、試験、評価又はこれらに関する指導の業務を行う者」と規定しています。すなわち、Consulting Engineerに限定していません。
★ しかし、技術士制度を発足させた当時、日本では Professional Engineer と Consulting Engineer の区別がはっきり認識されていませんでした。
★ 日本技術士会は、発足当初は Consulting Engineer の団体と考えられており、日本技術士会の略称 JCEA の CE は Consulting Engineer に由来しています。
★ Consulting Engineer に関しては、世界的な組織 FIDIC (International Federation of Consulting Engineer) があります。
★ 日本技術士会は FIDIC に加盟しようとしましたが、上記の理由によって加盟できませんでした。日本が FIDIC に加盟するためには、Consulting Engineer だけの組織が必要でした。
★ そのために組織されたのが、日本コンサルティング・エンジニヤ協会です。日本コンサルティング・エンジニヤ協会の略称は AJCE で、技術士のうち Consulting Engineer の条件を満たす者だけの団体となっています。
★ 現在でも、日本では Consulting Engineer と Professional Engineer との区別を認識している人は少ないのが実情です。


技術士と日本技術士会の現況

(1) 技術士登録者数

★ 技術士登録者の総数は、2002年12月末現在 約53,000人です。
部門別では、



建設 48%
電機・電子   6%
機械 6%
水道 6%
応用理学 6%
農業 5%
衛生工学 4%
経営工学 3%
化学 2%
情報工学 2%
金属 2%
総合技術管理 4%
その他 6%

です。建設部門が圧倒的に多いのは、建設省主管の公共事業に関して技術士の関与が義務付けられているからです。

(2) 日本技術士会

★ 日本技術士会は、会員、準会員A、準会員Bおよび賛助会員で構成されています。会員は技術士登録者です。
会員数は2004年5月末現在 10.723人です。技術士登録者数と比べると、19% で、かなり少ない数です。
★ 日本技術士会には、7つの地方支部があります(数字は、1998年の会員数です)。


北海道 201
東北 219
北陸 232
中部 443
近畿 833
中・四国   342
九州 433

です。したがって、これらの地方支部会員を除いた約5,100人が関東甲信地区ということになります。
★ 上記地方組織とは別に、各部門別の部会があります。また、各種委員会、プロジェクト・チームがあります。
★ 日本技術士会では Consulting Engineer をとくに区別していませんから、実数は分りません。かなり少ないと考えられます。


技術士の報酬について

★ 技術士の報酬については、日本技術士会で「技術士業務報酬の手引き」を作っています。業務形態によって報酬の決め方は、各種あります。

★ このうち、「日ぎめ、月ぎめ又は年ぎめ方式」は、主に独立の Consulting Engineer に適用される方式です。1日当りの標準報酬額を基本とし、月ぎめ、年決めの場合は、所要日数などを考慮して、上記標準報酬額をベースとして1月当り、1年当りの金額を定めます。
★ 日本技術士会では、平成16年度の技術士報酬に関する参考資料として、日ぎめ方式の場合の1日当りの報酬額を、\145,000- と定めています。


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