第1章 プロローグ 〜データやり取りの方法
1.1 データ伝送とデータ通信 〜その定義と違い
(1) データ伝送とは 〜ディジタル・データを送る
(2) データ通信とは 〜より広いシステムをいう
1.2 信号とデータ 〜文字の表現方法
(1) ディジタル信号を伝送するには
(2) 文字の表現 〜コードを使用する
(3) 符号とコードの意味を区別して使う
1.3 データ伝送の各種の方式
(1) 直列伝送と並列伝送 〜二つの基本方式
(2) 伝送の方向性 〜全二重と半二重
(3) ネットワーク伝送 〜これからの主流
1.4 データ受け渡しの方法 〜同期とは何か
(1) 非同期確認方式 〜最も基本的なデータやり取りの方法
(2) 同期非確認方式 〜今一つの基本的なデータやり取りの方法
(3) 両者の比較と選定
(4) 直列伝送における同期式のデータやり取り
(5) 直列伝送における非同期式のデータやり取り
(6) 同期式におけるキャラクタ同期の取り方
[コラム1.1] CPUバスとそのデータやり取りの方法
第2章 インターフェース 〜規格と汎用ドライバ/レシーバ
2.1 汎用ICによるインターフェース 〜簡単だが限界がある
(1) インターフェースとは
(2) TTLによるドライバ/レシーバ 〜用途が限定される
(3) CMOSによるドライバ/レシーバ 〜波形はきれいになるが遅い
(4) 高電流駆動能力のTTLを使用する 〜高速かつ中距離が可能
(5) TTLの高電圧利用 〜さらにノイズにも強いが大飯食い
2.2 RS232C 〜最も多く使われている直列インターフェース
(1) インターフェースと規格の活用
(2) インターフェースに必要な仕様
(3) RS232Cの概要 〜本来はモデム・インターフェース
(4) RS232Cの電気的仕様 〜伝送距離と伝送速度
(5) RS232Cの機械的仕様 〜コネクタの仕様
(6) RS232Cの信号線仕様 〜制御信号が多い
(7) 汎用インターフェースへの適用 〜規格外の使用
(8) コネクタの結線 〜フル実装されていないものが多い
2.3 RS422/485とRS423 〜電気的仕様だけの規格
(1) RS422インターフェース 〜高速長距離用の規格
(2) RS485インターフェース 〜バスに適用できる
(3) RS423インターフェース 〜RS232Cとの中間的な仕様
[コラム2.1] データ伝送関係の規格
[コラム2.2] 変調とモデム 〜概要と用途
[コラム2.3] フェールセーフ回路 〜安全な動作をさせるための回路
第3章 直列伝送の概要 〜並列伝送よりも広く利用されている
3.1 直列伝送とその規格 〜直列伝送を大きく分けると
(1) 汎用直列伝送用LSIの利用 〜直列伝送が多く用いられる理由
(2) 汎用直列伝送の規格 〜大きく三つに分けられる
3.2 汎用直列伝送用LSIの概要
(1) 伝送プロトコルにより種類分けされる
(2) マイコンの系列 〜マイコン自体を分類する
(3) 直列伝送用LSIの種類とCPUの系列
[コラム3.1] 伝送プロトコルとは 〜伝送を行うための定められた手順
第4章 直列伝送用LSI(キャラクタ・ベース)
4.1 機能の概要 〜具体的LSIを例題として
(1) マルチプロトコルLSI 7201Aの概要
(2) 7201Aの共通伝送機能
(3) 非同期式に使用するときの伝送機能
(4) 同期式に使用するときの伝送機能
(5) ビット・ベースの伝送機能(項目のみ)
(6) CPUとのインターフェース
4.2 LSIの具体的な使い方
(1) 7201Aの構成
(2) 7201Aの接続 〜PC98バスの場合
(3) 7201Aの非同期式における使い方
(4) 7201Aの同期式における使い方
[コラム4.1] 伝送誤り制御 〜その必要性、目的と概要
[コラム4,2] CPUの割り込み機能 〜低速伝送時に使用する
[コラム4.3] DMA(ダイレクト・メモリ・アクセス) 〜高速伝送に使用する
第5章 直列伝送用LSI(ビット・ベース)
5.1 ビットベースのプロトコル 〜ハイレベル手順
(1) フレーム・フォーマット 〜すべてのフレームは一定の形式である
(2) フレーム内各部の機能
(3) ゼロ・インサート 〜データの透過性を保証する
(4) フレームの判定とその異常処理 〜高信頼性を確保する
5.2 ポーリングとループ・モード
(1) 標準のポーリング方式の伝送
(2) SDLCのゴーアヘッド・ポーリング 〜効率の高い方式
(3) ループ・モード用LSI
[コラム5.1] テキストとフレーム 〜その定義と相違点
[コラム5.2] HDLCのソフトウエア・レベルのプロトコル
第6章 伝送用電気ケーブルとその特性
6.1 伝送誤りの原因 〜波形ひずみが原因である
(1) 伝送誤りの本質を探る
(2) 波形ひずみの原因を探る
6.2 伝送ケーブルの種類 〜特に伝送に適したケーブル
(1) 伝送用ケーブルに要求される事項
(2) 通信ケーブル 〜汎用性の高い優れたケーブル
(3) 同軸ケーブル 〜高周波のケーブル
(4) 弱電計装用ケーブル 〜施工性の高いケーブル
6.3 ケーブルの減衰量と周波数特性への対策
(1) 減衰量とその周波数特性 〜周波数特性をもっている
(2) 周波数特性による波形ひずみ
(3) その対策 〜変調とパルス伝送の技術
6.4 ケーブルにおける信号の反射とその対策
(1) ケーブルの特性インピーダンスと反射の現象
(2) 反射の対策 〜終端抵抗を入れる
(3) 実際の各種終端方法
(4) ケーブルの分岐と反射 〜現象と対策
(5) 定常波とその影響 〜終端してあれば通常は無視できる
(6) 変形された終端の各種方法 〜特定の用途に利用する
(7) 反射の影響を無視できる条件
[コラム6.1] 各種の短距離伝送用ケーブル
第7章 光ファイバ・ケーブル 〜電気よりも優れた伝送路
7.1 光ファイバの原理と種類
(1) 光ファイバ伝送の概要 〜電気ケーブルと比較して
(2) 光ファイバの原理 〜全反射によって光をファイバに閉じ込める
(3) 光ファイバの種類 〜距離と速度によって使い分ける
7.2 光ファイバの特性 〜電気よりも優れている
(1) 減衰量は小さいが周波数特性が存在する
(2) 電気ケーブルとの比較(1) 〜高速長距離が可能
(3) 電気ケーブルとの比較(2) 〜ノイズに強い
7.3 光ファイバの接続と分岐 〜この点では電気に劣る
(1) 接続 〜施工性と損失が問題である
(2) 分岐 〜光分岐器が必要である
(3) 光データリンク 〜光学の技術がなくてもよい
[コラム7.1] 各種の光伝送用部品 〜種類と用途
第8章 ノイズの問題とその対策 〜電気の泣き所を解決する
8.1 ノイズとその種類
(1) ノイズの進入経路と原因 〜回路図にない回路が問題になる
(2) 乗ってしまったノイズの種類 〜ノーマル・モードとコモン・モード
8.2 ノーマル・モード・ノイズとその対策 〜第一は乗せないこと
(1) ノイズを乗せないことが重要である
(2) フィルタを利用する
8.3 コモン・モード・ノイズとその対策 〜乗ってしまっても対策がある
(1) 差動レシーバの利用 〜小さなコモン・モード・ノイズに有効
(2) 絶縁の原理と効用 〜大きなコモン・モード・ノイズに有効
(3) 伝送用トランス 〜もうひとつのコモン・モード・ノイズ対策
8.4 シールと平衡 〜ノイズを受けない対策
(1) シールの効用 〜ノイズを絶対値として防ぐ
(2) 平衡の原理とその効果 〜ノーマル・モード・ノイズを防ぐ
8.5 クロストーク 〜互いに加害者になりあう
(1) クロストークとその対策
(2) フラット・ケーブルのクロストークの実験
(3) 通信ケーブルのクロストークの実験
(4) クロストークの一般データ
[コラム8.1] 保安用アースと信号用アース
[コラム8.2] アース/グランドに起因するコモン・モード・ノイズ
第9章 絶縁とそのドライバ/レシーバ回路 〜有効なノイズ対策
9.1 トランス絶縁とそのドライバ/レシーバ回路
(1) ディジタル信号用のパルストランス 〜特性と使い方
(2) トランス用ドライバ/レシーバ回路
(3) バイポーラ符号用ドライバ/レシーバ回路
9.2 フォト・カプラ絶縁とカレント・ループ
(1) フォト・カプラの特性と使い方
(2) 伝送への適用とカレント・ループ
(3) 10mAカレント・ループ 〜経済性を高める
(4) 高速用カレント・ループ 〜高速伝送も可能
(5) 半二重と多個所用カレント・ループ
第10章 伝送誤り制御 〜誤りの検出と訂正
10.1 伝送誤りの性質とその検出方法 〜確率現象である
(1) 伝送誤りの性質 〜ランダム誤りとバースト誤り
(2) チェック・コードの評価 〜性能と簡単さ
10.2 誤り検出の各方式 〜その特徴と性能
(1) パリティ・チェック 〜最も簡単だが性能は低い
(2) 2連送照合 〜簡単でしかも高性能
(3) CRCコード 〜多数あり優れた能力をもつものが利用される
(4) 誤り訂正コード 〜検出だけでなく訂正可能なコードもある
10.3 伝送誤り制御の手順 〜より信頼性を高くする手順
(1) 再送とその一般的手順
(2) 抜けと重複の発生とその対策 〜誤り制御の信頼性を高める
10.4 サイクリック伝送における誤り制御の方法
(1) チェックコードを付ける方式
(2) チェックコードを付けない方式
(3) ソフトウエアによる方法
(4) 単純多重伝送
[コラム10.1] プロトコルの各種表現方法
第11章 変調と符号化 〜伝送路の周波数特性に対応する技術
11.1 変調の技術 〜アナログの技術で信号の周波数帯域を狭くする
(1) 変調の基礎技術 〜変調の効用
(2) 電話回線用モデム(変復調装置)
(3) モデム用LSI 〜LSIはディジタル化されている
11.2 符号化の技術 〜ディジタル技術で周波数帯域を狭くする
(1) 符号化の目的 〜長距離高速化とクロックの多重化
(2) 符号の種類とその符号化/復号化の回路
11.3 イコライザ 〜伝送路の周波数特性を補償する
(1) イコライザとは 〜一種のアナログフィルタである
(2) 伝送路の許容減衰量とイコライザとの関係
(3) ディジタル信号用イコライザ
(4) モデム信号用イコライザ
[コラム11.1] 電話回線の性質
[コラム11.2] バイポーラ符号の性質 〜優れた特性をもっている
第12章 同期の技術 〜クロックの多重化と同期性能の向上
12.1 同期とその種類
(1) キャラクタ・ベースの同期
(2) ビット・ベースの同期
12.2 データにクロックを含ませて送る
(1) 符号化を利用する
(2) 自己同期符号(完全クロック) 〜ビットごとにクロックを含む
(3) 自己同期符号(不完全クロック(1)) 〜データの性質と組み合わせる
(4) 自己同期符号(不完全クロック(2)) 〜特定のときだけ利用可能
(5) 自己同期用符号と伝送用LSIの利用
(6) スクランブル 〜モデムに利用する
12.3 伝送誤りにおける同期の影響
(1) 伝送信号にはジッタが発生する 〜伝送誤りの一つの原因
(2) 同期はずれの発生とその原因 〜連続する誤りを引き起こす
12.4 PLLによる同期性能の向上 〜ジッタと同期はずれの防止
(1) PLLとその同期への適用
(2) PLLの技術
(3) 同期におけるPLLの効用
(4) PLLの欠点 〜引き込みに時間がかかる
12.5 ディジタルPLLと水晶発振型PLL
(1) ディジタルPLL 〜PLLの欠点を取り除く
(2) 伝送用LSIの利用
(3) 水晶型PLL 〜特徴のあるPLL
第13章 多重伝送と簡易ネットワーク伝送
13.1 多重伝送とサイクリック伝送
(1) 多重伝送とは
(2) 多重伝送の用途 〜計測データの伝送と汎用多重伝送
(3) ネットワーク伝送を利用した多重伝送
13.2 汎用ネットワーク伝送
(1) 汎用親子式伝送
(2) リモート・プロセス入出力装置
(3) 任意間伝送機能
第14章 ローカル・エリア・ネットワーク(LAN)
14.1 LANの基礎 〜高度なネットワーク伝送
(1) LANの基本機能 〜高度なネットワーク伝送
(2) 伝送路アクセスの制御 〜LAN固有の機能
14.2 LANの実際 〜具体的な製品例
(1) LANの標準化
(2) イーサーネット
(3) トークン・バス
(4) トークン・リング
(5) LANの相互接続
[コラム14.1] トラフィック解析 〜待ち時間の解析
[付録1] 文字コード
[付録2] 各種符号の符号化/復号化回路
[付録3] ビット単位の伝送が容易な多重伝送装置